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船長に、「若手の漁師たちを見ているポイントってどこですか? 」と聞いたときには次のように教えてくれました。

 「昨日はできなかったけど、今日できたところ見よるかいのぉ」

 「そんな小さい差なんて、どうしたら分かるんですか? 」

 「え~、こんめぇことでええから、3つとか4つとか教えてあげんのよ。“こげーするとうまくできるど”とか、“そこに足を置くとアブねぇど”とか」

 「翌日、教えてあげたことができたところがあれば、褒めてあげるんですか?」

 「そげーじゃ。 1個でもできるようになったところがあれば、“できるようになったの”と声をかけてやんのよ」

 「じゃあ、昨日教えて、次の日になってもできていなかった部分はどうするんですか? 」

 「よっぽどアブねぇことでなきゃ、ほたくっちょく」

 「ええ~、放置しちゃうんですか?」

 「3つ教えたなかで、できるようになりよった1つをちゃんと気づいて褒めてやれば、言われた子は、『あ、船長はできちょらん残りの2つも知りよるな』っちゅーように、言わなくても分かるんど」

 「会社だとつい、できるようになった部分には何にも言わないで、できていないところばかりを“何回言えば分かるんだ? ”と指摘しがちなんです」

 「そげーしよると、若ぇ子は不満をためて言うこと聞かんようになるけぇのぉ」

 「監視にならないようにしつつ、若手を見るためにはできたところを見ておくことが大事なんですね」

 「ま~でも、危険なことについては、ちゃんと言わねぇといけねぇけんの。 “できたところを見る”っちゅーより、“できたところと、できてないところの両面を見ちょく”ちゅー感じかいの」